TOEIC®で高得点はどう取るか
Mar 7, 2021/ 更新日:Mar 11, 2021
TOEIC® は英語力全体を表すわけではない
私的な意見をいきなり述べる。実は TOEIC® をそれほど信頼していない。 かと言って全否定もしない。 どちらかと言うと、試験というより、全国約80都市で年10回も開催されることからも、商業的な目的を強く感じている。 TOEIC は英語が使える人や得意な人は普通に高得点を取ることができることは事実である。 しかし、英語ができなくても試験のテクニックを身に着けていれば、英語が本当にできる人と遜色なく得点できるのが TOEIC である。
これが TOEIC という試験の性質である。 コツを掴んで得点するというのは、ズルしたりカンニングしたりするわけではない。 マーク式という試験方式から、必然的に正解の肢に癖が出てくるのだ。
TOEICはリスニングとリーディングの能力しか測らない。このことは、英語全般の力を測定していないことを意味する。またビジネスでの英語を基本的に考えられているという性質から、ビジネスでの状況を元にした問題が多くなり、使われる表現もビジネス関連の言葉が多くなっているのも特徴である。
肝心のリスニングのスピードは、あまり早く話されない。ネイティブからすれば、だるい感じを受ける話し方だそうだ。 長文問題は「本文を長めに作成」されている。日本語で同じ問題を出されたとしても、少しでも集中力を欠けば「あれ、なんて言っていたっけ?」と間違えかねない問題を多いのも特徴だ。
賛否両論あるだろうが、本当の英文の理解力、リスニング力よりも、英文を読む注意力や記憶力の試験という印象を強く感じる。
さらに、多くの人が気づいているが、リーディング問題は選択肢だけ読んで答えが想像できてしまうような選択肢も多い。実際の英会話やチャットでポイントになるスラングなどはそもそも出題されない。
これではTOEICの勉強にシフトしていれば、TOEIC で得点できるけど、実は英語は使えない、ということが現実に置きるのだ。 事実、私のまわりにもそのような人は多く、彼ら彼女らは、TOEIC 800点台後半の猛者であり、事実、英語が得意な人で通っている。しかし、相談話をうける事があるが「デキもしない英語ができる人のように思われる」のが苦痛だそうである。
ここまでで、賢明な方は読んだ人はこう思うだろう。 「英語の試験のフリをしているが、実際は英語で書かれたクイズ問題に過ぎない。 正攻法だけで攻めるような試験ではない、むしろ正攻法しか知らない人は、真面目というより知能の使い方に問題がある。」 日本人的には、クソマジメに考えて「あたまから飛ばさずに、問題文をしっかり読んで解いていくんだよ」という正論に共感する人もいるだろうが、試験攻略法としては全くダメダメである。
「英語が使えるようになる」ということと「TOEIC 高得点」は別次元の問題なのだ。 当たり前だと思う人は多いはずだが、逆に英語ができる人も「TOEIC の点があまり伸びない」ということで悩むのである。英語が使える人からすれば、TOEIC の勉強なんてバカバカしいのである。
このため、今回のこのページでは、TOEICの点数をいかに上げるかにポイントを絞って解説する。英語力のある人、普段から正しい英語が使えている人は 800点は普通に得点できるはずである。
TOEIC 高得点者は就職に有利なのか
企業もバカではない。「TOEIC 高得点者≒英語ができる」などと考えるような企業はほぼ存在しない。しかし、「TOEIC 高得点者≒英語実務習得のための基礎力と要領は備えている人物」という理解はされる。
そのため、企業が TOEIC 高得点者を優先的に採用しても、その事自体は極めて健全である。つまり、就職などでは有利に働くのである。誤解しないでいただきたいが、TOEICで高得点を出せるからと言って、英語を積極的に使う部署に配属されるとは限らない。 企業側としては、。TOEIC で高得点する人だから、この人は目標に向けて努力を継続することができると判断しただけだということも普通にあるのである。
そのため、遊びで受験するにしてもTOEIC600点以上は確保しておくのが望ましい。 大手の企業を始め、TOEICの得点600点以上だと、一応注視するようである。
企業が本気で英語力を推し量りたいのならば、TOEICなどの点数は参考にせず、企業の外国人役員から直接英語で面接試験が行われる。
しかし、志望者数が多ければ、面接試験以前に、企業が TOEIC の得点を足切りに使いかねないという、嫌な側面を備えている。 英語は得意でペラペラ喋ることができるが、TOEICの点数が600点以下だと、あまり英語ができる人のようには認識されない。バカらしい話だが、そういうシステムなのだと理解しよう。
TOEICは「英語力の一部を推し量る」ものに過ぎないが、高得点する技術は備えておきたい。このページでは、エッセンスをお話しする。詳細を極めたかったら、得点するためだけのTOEIC本を数冊こなしてみると良い。 普通に受けて400点以下の人でも、すぐに500点台に届くようになる。 このレベルの人は、500点台に届けば、次は600点台もしくは700点台と、100点単位で伸ばせるので、時間のある方は試しにチャレンジしてみよう。
結論としては、TOEIC600点台というのは、英語力は普通でも、テクニックだけで余裕で達成できる点数である。 必要な英語力としては、かつてのセンター試験で平均以上得点できていればよい。あとはやるかやらないかだけの問題である。
なお、本気の英語が必要な企業ならTOEICより、TOEFLのスコアをアピールする方が本気度が伝わる。
【正攻法】TOEFLのスコアを上げたいなら、とにかく類似問題をこなせ
類似問題をこなすという攻略法は、別に、TOEICだけに限らない。どんな種類の試験であっても、「類似問題をこなす」ことが、得点力を磨く近道である。
TOEIC が典型的だが「いつも毎回傾向が同じ」テストであるから、難易度的には大学入試などに比べれば、格違いに易しい試験である。だから、TOEIC 試験のために、休職したり、休学したりという話は聞かないだろう。 大学入試がヘビー級なら、TOEICはライト級というくらいにランクの違うものである。
そのため、正攻法はシンプルである。適切な TOEIC の問題集を用意し、類似問題集を解いていれば良い。それだけで対策になり、事実、得点も伸びる。 逆にナメまくって、何の対策もしないと、英語ができるのに700点にも届かないというような罠にハマってしまう。
TOEIC 900点超えのコツは、また少し違ったものになるが、400点の人が700点台に乗ることはさほど難しくない。 現在、400点しか得点できていない人であっても、鉛筆を転がしてまぐれ当たりではこの点数にならないわけだから、相応の英語力はあるはずである。 また、900点超えも、結局コツさえ噛めば、大学受験程度の英語がこなせる人なら、間違いなく誰でもできる。別に大げさに言っているわけではない。
【正攻法】間違った問題を何度も繰り返せ!
一度間違ってやり直した問題は「もう知っている」からやらなくていい、と考える人が多い。これがまったくもって間違いであることは、ここで強調しておく。
一度やり直した程度の問題は、すぐに忘れる可能性が高い。TOEICのような問題数が多い試験トは特にその傾向がある。試験対策としては、何度も繰り返して問題を覚えてしまう方法がある。問題を覚えるというのは非効率のように思うだろうが、TOEICに関しては有効である。なお、問題は結果的に覚えてしまうのであって、覚えようとして覚えたものである必要はない。
問題を覚えてしまうと、高得点につながる根拠を一つ挙げると、文法問題は同じ傾向の問題が何度も出題されるからである。そのひとつのパターン問題を徹底的に脳ミソに覚えこませれば、次に同じ傾向の問題で出くわしても対応できる。大抵は少々英文の中身が違う程度で、実質同じ問題に過ぎないからだ。 8割得点(例えば文法など)できていない範囲は、この方法で対応できる。
正解した問題は、再度英文の中身が違って出題されても、普通に再び正解する。 逆に、正解できず、間違った問題は、英文を少し変えられると、再びまた間違う可能性が高いのである。
試験対策をとる時間があまりない人は、問題集を解いて間違った問題だけ見直せばよい。もちろん、自分の脳がその問題を忘れる直前を見計らって、自分の脳に奇襲攻撃をかけるように、少し時間を空けて問題を解きなおすのだ。
時間があれば、ヤマカンやまぐれ当たりの問題は、別途、分類しておく方が良い。問題を解くときに、問題文の頭に自信のあるものに○、ないものは△、わからないものは×をつけておくと、あとで見直す時の時間短縮になる。これは「○つけた問題で(自信ありで)正解」のものは、見直さずに済ませることができるので、時間を稼げる方法である。 「△をつけて正解した(自身がなかった)問題」は、目を通すぐらいの見直しはやっておこう。
なお、間違った問題は具体的に何度繰り返せばよいのかについては、別のページで後術するが、10回や20回程度でなんとかなる間違いなら大したことない。50回以上でも修正できない間違い箇所は、自身の弱点として徹底的に鍛え直そう。
リスニングセクション間の時間を有効に使え!
TOEICで点数が取れない人は、リスニングセクションで得点し損っている人が多い。 手を付けやすい文法や、TOEIC英単語のようなものに固執するあまり、一番点数になりやすいリスニングセクションをおろそかにしてしまっている。
まず、TOEICはクイズチャレンジだと認識すると良い。クイズを解くときは、素早く問題のパターンを分析し、型にはめ、何が答えだと出題者を満足させるか(クイズの場合はさらに視聴者が満足するか)を判断するのだ。
数学的確率判定をするのではなく、単純に出題者を推し量るのである。このことは受験勉強で鍛えられた人は、身体に染み付いているはずだ。(だが、本来自分の思うこと書きたいことを書けず、人が望んでいることを答えて書くという悲しくて虚しいテクニックでもある。)
問題パートが切り替わるとき、「必ず問題の説明が英語で入る」ことはご存知だろう。このことを知らずに試験を受けると不利である。そのいつ聴いても同じことばかり流れる問題説明は、試験としては真面目に聞くような時間の使い方をするべきではない。
そうではなく、「解けなかった問題、自身のない問題を見直している」という人も多い。これも、テクニックとしては二流である。 この時間は、問題文を先読みして「問題(選択肢)を読む」のである。 TOEICをクイズチャレンジだと認識できていない人は、このようなテクニックを姑息なズルい方法と思う傾向がある。同意はするが、クイズというのはそういうものである。「なぜこんな少ない情報と時間で正解できるの?」と第三者が思うものなのだ。
そもそも、TOEICで英語能力が測れると信じているような思想を疑ってみるべきだろう。 英語ができないけどTOEICの点数だけはすこぶる高いような人は、実際のところ山ほどいるのである。英語ができる人が、そのようなテクニシャンより得点が低いとなれば、本来、そもそもそのテストを疑うべきなのである。だが、現実そのものに文句を言い始めるサイトではないので、当サイトとしてはTOEICを攻略することにする。
パートⅢやパートⅣ攻略法
パートⅠは写真描写問題中心の息抜き問題である。慣れが全てで、中身は何もない。クイズとしてのひっかけがどの程度なのかに注意すれば、問題なく解答できる。
ところが、説明文問題のパートⅣは長文なので、根気が試されるのである。そこで、少しでも楽にしようと、中身のない問題の説明をしている間を利用して、この時間にパートⅣの選択肢を読み進めるのだ。 テクニックとしては常套手段で、高得点者の多くが行っている作業ではあるが、普通に読まだけではなく、先入観を挟まずにどのような会話が流れるかを推測するように読む。この段階で自分の推測はまず外れることを意識しておこう。 自分の推測が8割も当たる程度であれば、そもそも問題として成立しないからである。
パートⅠやパートⅡ攻略法
とにかく、選択肢を先読みする。そうすれば、どのような内容が話されるのかおおよその検討がつけられる。選択肢の先読みは、それなりに実践している人もいるはずで、多くの方は理解できるはずである。
しかし、ポイントを見誤ってはいけない。 ポイントは一番難儀するパートⅣ(パートⅢの方が難儀という方は、パートⅢ)をパートⅠやⅡの問題説明中の間に先読みしておくということである。
パートⅠやパートⅡでは「知っているか知らないか」を問う問題が大多数である。だから、長文問題のように「選択肢を先読みし、内容把握の手助けにする」手法はあまり有効ではないのである。だからといって、先読みしないほうが良いというものではない。先読みしておけば、何を効かれても対応しやすくなり、正答率も上がる。
そういった性格を踏まえて、パートⅠやパートⅡでは、問題と問題の間の時間に可能な限りでいいので(一問でもいい)次の問題の選択肢を読んようにする。
調子に乗って、パートⅠやⅡの問題と問題の時間を利用してパートⅢやパートⅣの長文問題の選択肢を先読みするのはオススメしない。 そもそも先読みが有効なほどの時間が確保できるとは思えないので、長文問題の選択肢を読んでいる間に、次の問題が始まってしまいかねない。この場合は、慌てて微小ながらタイムロスと、マインドを再セットするのにエネルギーを使いかねないからである。
長文リーディングでも選択肢を先読みしろ!
リスニングセクションの選択肢の先読みは、先程述べたが、これはリーディングセクションの一部でも有効だ。
出題者の意図としては、以下のような読み方を受験生に求めている。
しかし、長文のリーディングの攻略法は、選択肢の先読みになる。
はじめから選択肢インディックスにして、本文に目次をつけるという意識で読み切ってしまう。TOEIC は難易度を調整するために、時間を圧縮して試験を受けさせるのである。試験の難易度調整の常套手段だが、TOEIC は問題が易しくても得点できない一つのワナになっている。
もう一つ、選択肢を読むだけで常識を働かせれば「その中で答えとして選べるのはこれだけ!」というものも出題されている。当たり前だが、誹謗中傷を正当化したような解答を正解とすることは、今の御時世では難しいのだ。選択肢からは「常識的な答え」に目星をつけることができたが、実際に本文を読んでみたら「非常識ではあるが、こちらの正解もありえる!」というものがでてきたとする。どちらが正解か判断に困る場合は、TOEIC600点までのレベルの人であれば、迷わず常識的な方を選んでおくと正答率が上がる。
時間調整テクニック
TOEIC はとりあえず800点ほど得点すれば、学生なら単位が余分にもらえたり、一般ビジネスマンでも英語ができるように思ってもらえるなど、メリットを享受できる。 何が言いたいかといえば、「満点である必要はサラサラない」と決めれば、時間対策は大したことはない。
満点を狙う限り、計画的に時間配分するだけで、得点できるとこに持ち時間を投入するだけである。簡単に言えば、わかる問題だけ確実に回答すればよいのである。 わかる問題というのは、一番小さな小問レベルで判断する必要がある。大問で判断して、まるまる大きな問題を捨てるようなことは、普通の試験戦術とは言えない。
大問の中の、どの問題について確実に得点できるかを判断して、考えてもわからないものはヤマカンで解答するしかない。 これは、偉そうなことを言っている巷の英語教師でも同じことをしているのだ。 初学者と違うのは、どれが正解になるかの鼻が効くところだけである。
ここまで読んだ方は、薄っすらご理解いただいたかと思うが、本攻略法はかつての大学入試センター試験の攻略法と全く同じである。 センター試験ではリスニングセクションの配点が多くないので、さほど対策をしていない人も多かったかもしれない。TOEICの場合は、その部分の攻略をしっかりしようという程度のことであり、全て英語でアナウンスするという程度の違いでしかない。
センター試験で高得点できる人は、TOEICが高得点できる技術を獲得していることになる。あとは、ただ足らない部分を付け足すだけの作業に過ぎないのだ。センター試験英語の点数が良いからと言って、英語がどれくらいできる人がいるのかは疑問視している人も多いはずである。
くどいが、TOEICの点数などを励みにすることはオススメしない。 英語が使えるということと、得点できることは必ずしも結びつかないからだ。 英語で会話する話題が、TOEIC の点数のことばかりだと、聞く相手(ネイティブ)は楽しくないはずである。
最後に、邪道ながらこの手の参考書を紹介しておく。 紹介する本をこなしたところで、TOEICの点数は伸びるが、英語力がつくわけではないことを強調しておく。点数だけは、いままでクソマジメに学習してきた人ほど、驚くほど伸びるはずである。
TOEIC Test 「正解」が見える【増補改訂第2版】 単行本
本書は、初版当時は誤植や日本語の翻訳のまずさが幾度となく指摘されたが、改定を重ねるごとに改善されている。本書は英語を勉強するような本ではない。あくまで TOEIC の点数を上げるための攻略本として利用するのが正解である。攻略本としては、ベストセラーなので、得点が伸び悩んでいる人はチェックしておくと良い。 付属CDの発音はあまり好きではないが、練習用としては問題ない。TOEIC だけをターゲットにした単語集としても、使える。
TOEIC L&R TEST 「正解」が見える86のコツ
TOEIC の得点を800点超えするためのテクニック本、攻略をまとめた本である。 くどいが、英語を勉強するための本ではなくて、TOEICを攻略するための技術書である。 この点を勘違いしてはならない。
誤植の多さが指摘されている本であるが、しっかりコンセプトを掴んで読めば問題ない。 英語を学ぶのではなく、得点する技術を学ぶのである。 この手の本に書いてある内容を、一度でも頭に入れておけば、試験時間が足らなくなったときなどでもなんとかこなせるはずである。
