どうやって英単語を効率的に記憶するか?
Mar 11, 2021/ 更新日:Apr 1, 2021
英語を学ぶにもなにも、ある程度の記憶単語数がないと、文章も作れない、問題文も読めず文法も学習できないという、ホントに何もできない自体が生じる。
そのため、ドがつく程の初学者は、目や耳に入った英単語は、より好みせずに片っ端から覚えていく他ない。 これは幼児が本能的に行う作業と同じである。 しかし、日本社会に生きていて、アルファベットすら全く書けないと言うほど学んでこなかった人はごく少数ではなかろうか。
中学校を卒業していれば、成績が悪くてもアルファベットぐらいは書けるはずだ。 記憶単語数がないと自分で思っていても、“a”や“the”、“in”や“on”などの冠詞や前置詞、動詞の過去形や過去分詞形なども含めてカウントすれば、どんな成績の悪い人でも1,000語以上は覚えていることがわかるはずだ。
英語が苦手と言っても、アップルやオレンジと言ったカタカナ英語は普段から耳にしているだろう。残念だが、日本国内でも英語による文化浸食が少なからずあるため、英語の免疫がゼロとは言えないのである。
英単語には覚え方にはコツがある。 やみくもに覚えることに疲れたら、結果を出すために次のステップがあるのだ。 効率的に単語を記憶していくには、学習習慣にも気を配る必要がある。 息切れしたら、学習計画を見直し、再計画しよう。
このページで公開している英単語の覚え方は、私一人が生み出したようなものではない。 数多くの英語学習者の先輩の工夫のある学習法と理論に感化され、殿堂入りした猛者に受け継がれてきた具体的方法を、現代版に直したものである。
書いてあことを実践すれば、必要とされる英単語力を獲得する最短コースを進める。 受験生時代にやったような単語集、あるいはアプリを満員電車やバスの中で眺めるような勉強はする必要はない。
必要単語の記憶に、貴重な時間と労力を投入しすぎる必要はない。
定着させる英単語の記憶法、誰でもできる基本トレーニング
昔から言われるように、英単語の覚え方は至極単純である。 「目」「耳」「口」「手」を使い、様々なトレーニングを繰り返すだけである。
「様々」というのがポイントである。受験生なら、試験で問われることに集中して覚えるのが定石だが、使いこなせす英語の肥やしにするには、それ以外のコツがあるのである。
やり方を間違えると非効率になり、必要以上に単語の定着作業に時間を浪費してしまう。 また、一つの単語を完璧に使いこなせるようになっても、それだけでは英会話も文章としての英語の成立しないのが普通である。 そのため、一つの単語すらおろそかにしないと言うような完璧主義より、多少の精度は犠牲にしても、頭に入れる単語数の方が重要になることが多い。
記憶の定着を狙うには、脳を刺激してやる必要がある。 脳はずる賢く、怠け者である。 そのため、同じ方法だけをダラダラ続けても、飽きてきて脳が効果的に働かなくなるのだ。
英単語を効率的に覚えるために必要なのは、脳を刺激を工夫することだ。 具体的には、「目」「耳」「口」「手」を使って、様々な手法で脳を刺激するトレーニングを行う。
ただですら覚えにくいものを、目で追うだけで記憶に定着するわけがないだろう。 目で追うことに加えて、違う刺激を脳に入れる、それだけで定着率が変わる。 しかし、覚悟してほしい。 記憶の定着には、とにかく繰り返すという反復練習が欠かせないのだ。 英単語だけでない、楽器、ゲーム攻略、野球やサッカーでも、何か技術を獲得するには繰り返すことは最重要である。
具体的には、図で示した「目」「耳」「口」「手」が最低でも2つ以上絡むトレーニングを行うことである。器官の一つに集中してトレーニングする方法も有効ではあるが、脳への刺激という面ではやはり弱い。
トレーニングと称したが、要はここでは単語の記憶である。
聞き取り・リスニング
単語集を閉じて、付属CDでもダウンロード音源でも、そのまま聞いてみる。 単語だけ読み上げるもの、例文を挟むもの、日本語を挟むものなどがあるが、要は英語の部分をどけくらい聞き取れるかを確認しよう。
このトレーニングでは「単語」だけ聞き取れればいいので、要は純粋に単語だけピックアップできればいい。
とにかく、紙やタブレットを見ないで集中して音源を聴く。見出し語と例文、英語の部分を聴いて、どれくらい理解できるか確認しよう。
聞き取れない場合は2〜3回試してみる。本作業は、ここの確認作業に過ぎないので、2回目以降は、このステップは省略できる(わざわざ単語リスニングだけに時間を割く必要はない)。
アイ・シャドーイングで肩慣らし
単語集の見出し語と例文を目で追いながら音源を聴いてみる。 意味を頭に入れる必要があるが、日本語の説明や意味は見ないほうが良い。 英語の音と、日本語が脳で結びついてしまうと、実践英語学習効率が下がるからである。 意味がわからないときは、英英辞典(電子辞書でいい)を引いて、意味を英語で頭に入れよう。
肩慣らしのポイントは、発音とアクセントの位置を意識することだ。 あとは、繰り返し聴いくだけである。 目で見た単語の、どの部分を発音しているのか、視覚的に意識するのである。
目と耳を使うトレーニングだが、ダルいものなので、脳が怠け始める2周目からはトレーーニングは省略していい。
音読する
「口」をメインに、「耳」と「目」を使うトレーニングである。
見出し語を、意味・発音・アクセントの位置を意識しながら大きな声で音読する。 単語の意味は、英文で頭に入れよう。日本語を介してしまうと、効率が落ちる。 英英辞典の定義を音読してもよい。
次に、例文を音読しながら文の構造(文法)を確認していく。 なぜ、原形がきているのか、過去分詞になっているのかなど意識できれば良い。 やさしい例文であるほうが良いが、少々難しければ、辞書や文法書で確認する作業が必要になる。 ただ、この作業の手間を惜しむなら、脳にまるごと覚えることを強制しよう。 要するに、デッドコピーするのである。なぜ、文法的にそうなるかなどは、後々の学習が進めば自然とわかるようになる。
そして、例文を発音を意識しながら、滑らからに音読できるまで繰り返し練習しよう。 平均的には、50回以上必要の繰り返しが必要だという、経験則的なデータがある。ボイスレコーダーやスマホに録音して、音源をそのままマネできていれば大丈夫だ。
発音に不安がある場合は、アイ・シャドーイングに戻って確認する必要がある。
オーバーラッピングして口と目と耳で脳を慣らす
例文を目で追いつつ、音源とズレずに重ねて発音するトレーニングである。 声の出せる部屋なら、音源を打ち消す程度の声を出すようにする。 誰かが聞いていたとして、音源の音か、発話者の音か間違う程度にマネできればいい。
声を出せない場所では、リップシンク(口パク)で、口を動かすトレーニングをする。リップシンクの場合は、耳のトレーニングにも力点がある。
ポイントは、ネイティブ音源のスピードについていけるかどうかである。 ついていけないなら、ついていけるようになるまで繰り返し練習する他ない。それができたら、細かい発音と英語の意味も意識しながら、繰り返しトレーニングする。
オーバーラッピングは、シャドーイングがうまくできるのなら、シャドーイングで代用して構わない。
黙読暗唱トレーニング
まず、1つの例文を目で見て黙読し、目を閉じて暗証する。 まず黙読で頭に入れて、何も水にそれを口に出してみるというトレーニングである。
慣れてきたら日本語を介さない意味と発音を意識して、何度も繰り返すようにする。黙読を省いて、暗唱部分だけを繰り返しても良い。
発音があいまいな場合はアイ・シャドーイングにもどり、意味や文の構造があいまいな場合は、立ち止まって再確認する必要がある。
リピーティングを行う
まず、視覚に頼らず、単語集を見ずに、見出し語の音源を聴いて、その後すぐに声を出してリピートする。
目を閉じて、1文ずつ耳で聴き、音源を止めて(ポーズして)、口に出してリピートする。
ポイントは意味を意識して行うことにある。もちろん、日本語を介さずに意味を抑えておく必要がある。 意味は、他の易しい英単語に置き換えられるレベルでも良い。
意味を意識してできるようになったら、今度は発音を意識して音源とそっくりに真似できるようになるまで繰り返す。
躓いた場合は、黙読暗唱トレーニングに戻ること。
シャドーイング(Shadowing)行う
単語集を見ずに音源を再生し、2語程度遅れて、声を出して発音して音源を追いかける。 見出し語も例文も、意味は日本語を介さないようにして、行うようにする。スピードについていけない場合はオーバーラッピングに戻って、トレーニングを行うようにする。 意味を意識しつつ、本源のスピードについていけるようになったら、次は発音を意識しながら何度も繰り返す。
意味を意識というのが、多くの学習者のボトルネックになるかも知れないが、易しい英単語に置き換えることができるレベルであれば良い。 獲得した英単語数が増えてくれば、自然と英語だけで詳細に説明できるようになる。 日本語で即座に説明できても、実践的な英語のトレーニングという意味においては、効率が良くないので注意いただきたい。
書き写しトレーニング
例文を1文黙読し、その1文を一気に書き写すトレーニングである。 書き写し始めたら、英文を見てはいけない。
うまく行かない場合は、黙読ではなく音読した後に、書き写し作業に進むようにするる。音読した方が、このトレーニングは効率良く進むことが多いが、数をこなす必要があるので、音読は覚えにくい英単語だけで構わない。
とりあえず、耳で聞いたとおりにスベルアウトしてみる。そして、スペルミスがあれば、書き写し後、即座にその場で確認して修正するようにすることを忘れないように。
繰り返し回数の目安は10回以上
「繰り返すこと」と書いてきたが、何回繰り返せばよいのか気になる人が多いことだろう。 一番簡単な答えは、「できるようになるまで繰り返す」ということだ。 人によっては100回、200回ということもあり得るが、一つの英単語にそれだけの時間をかけるのはどうかと思う人もいるはずである。
記憶に定着させるには、その繰り返しは時間をおいて行う方が良いわけだから、それなりの時間を消費することになる。
紹介したすべての方法を10回以上繰り返す必要はない。 しかし、うまくできないトレーニングは、自分にとって繰り返す価値があるものだとは言える。 紹介したトレーニングの中で、一番有効なのはシャドーイングと音読である。 脳ヘの刺激が最大というトレーニングではないにしても、どこでも行えるため繰り返しが行いやすい。
無理する必要はないが、4回、5回程度の繰り返しでうまく行かない、効果が出ないなどという幻想は禁物である。 その程度の繰り返しでは、慣らし運動段階に過ぎない。効果が体感できるのは、更に繰り返しトレーニングを終えた後である。
理解できる単語を使える単語にする方法
「単語は覚えたみたいで、読んだり聴いたりするときはわかるようになった。しかし、いざ英会話となると、覚えて知っているはずの単語が出てこない。」誰でも経験する、そして通る道である。
これは、その覚えた単語が脳内で「理解できる単語」として取り入れられたが、「使える単語」にまでは昇格していないことが原因である。
理解できる英単語を、運用できる英単語に昇格させる方法
理解できる英単語を、実際に使える英単語に格上げする方法は、実はすでに説明している。。
先ほど説明した、黙読暗唱トレーニング、書き写し、リピーティング、シャドーイングは、実践用単語力格上げトレーニングでもある。
黙読暗唱、書き写し、リピーティング、シャドーイングが実践的
これらのトレーニングは、英文を見て、もしくは聞いて、直ぐに声に出して(書き写して)再生しなければならない。 そのため、日本語に変換しているようなヒマは与えられない。 少しでも長文化すると、内容を理解せずして再現することは難しいため、英文をそのまま理解する能力を獲得することが、脳に要求されるのである。 つまり、脳内で時間のかかる変換作業無しで、そのまま口を使って音声で再現するトレーニングであるので、英語を英語のまま、そのままの語順で理解する能力が向上する。
単語をそのままの語順で、全体がわかるようになるということは、文法知識がそのまま生きた形で使えるようになるということである。
シャドーイングは特に有効
シャドーイングは、音源を聞いて意味を瞬時に抑え、黙読暗唱やリピーティングなどよりも、タイムラグを抑えて繰り返さなければならない。 当然ながら、上記と同じ理由で、単語と文法知識が脳内で実践的に再構築される。
アウトプット・トレーニングで仕上げ
使える英単語に昇格させるには、話して、書くという(アウトプット・トレーニング)ことも必須になる。 覚えようとしている単語を、意識的に脳内の前面に待機させるためにも、わざわざ使ってみる(アウトプットする)ことで記憶が強化される。
昔から言われ続けることだが、使えるようにしたいと思う単語なら、その単語を使って自作文してみることだ。
時間と暇があるなら、子供用の単語集の問題(英語版)を解くこともオススメである。
使える英単語は理解できる英単語より少ないのが普通
理解できる英単語を、全て使える単語として昇格させる必要はない。 最重要語2,000語を、使える単語にしてしまえば、だいたいのことは事足りる。 最重要語以外は理解できるだけでよいと割り切りってしまえば、英単語学習のけじめにもなるので、英単語で完璧主義は禁物でもある。
尚、英語はなんだかんだ言っても言葉なので、使って長く生きていれば、かつては使えなかった英単語も普通に使えるようになる。そのため、完璧主義を貫く必要はまったくない。
まとめ
- 英単語を効率的に覚えるにはコツがある
- 「目」「耳」「口」「手」を使い英単語を効率的に覚える
- 方法が良くても、繰り返すことは重要である
- シャドーイングは、特に単語記憶に有効である