英語は地道な底あげ学習が基本!
Mar 13, 2021/ 更新日:Mar 13, 2021
英語の学習方法については、走り出す前に、これから何をやっていくかはしっかり頭に入れておいたほうが良い。
ながら勉強で英語を聞いていても、脳は英語を理解しようとしない。 そのため、ヒネイティブが英語を使えるようになるには、うまく効率良く行うコツが、やはり大切になってくるのだ。
英語学習は底あげ学習を基本にせよ
英語が使いこなせそうかなという目安は「単語」と「文法」と「発音」がうまく操れるようになったかどうかだ。 その中のどれ一つを欠いても、英文はうまく作れない。 この3つの要素は、誰かから押し付けられるようなものではなく、ひたすら自分で磨くことのできるものである。 だからこそ、学習者は地道な努力で、この3つを獲得しては改善し続けなくてはいけない。
平たく言えば、基礎力の底あげをすることで、英語が少しずつでも、深くわかるようになるという地味な学習である。 派手さはないが、基本中の基本であり、継続が意味を持つ本物の学習方法である。
繰り返すが、英語の基本要素は単語・文法・発音の3つだけである。 (イディオムはどうするんだという声がありそうだが、「単語・文法」のどちらにでも含めてほしい、便宜上、単語の中に含めて説明する。) その他は、それらの応用に過ぎない。
単語がわかっても、その並び換えが正しくできなければ、言葉として通じない。 だから、文法を身につけ、意味がある並べ替えができるようにする。つまり、単語が実践的に使えるように底あげする。
発音は言うまでもなく、言葉は口をついて発せられるものだから、いの一番に優先されるべき要素である。
単語・文法・発音の知識は無意識に使える必要がある
英語の基本要素たる、単語・文法・発音は、疎らに個別に知識を得るだけでは、受験英語対策としては有効だが、英語を自由に使いこなせるようにはなりはしない。
それらの知識は、無意識的に、単語から文法、文法から発音が駆け巡るように、自然に使えるようになる必要がある。
それらの知識が無意識的に生きるようにするには、日本語を介さずに繰り返しトレーニングする必要がある。
効率的な英語学習にはインプットとアウトプット!
受験勉強で鍛えられた人は、インプット(入力)中心の学習に慣れ親しんでいる。 もともと正解があり、その正解をひたすら暗記して、試験会場で再現するには、インプット中心になるのは当然である。
しかし、英語が使えるようになるという点では、「読む・聞く」といった、インプットだけの学習中心では非効率になる。 言語であるので、「話す・書く」といったアウトプット学習が欠かせないのである。
これらは等価に学習しなければ効果が出ないというものではない。 英語に関しては、体感的にインプット8、アウトプット2もしくは、や7:3ぐらいの比率が丁度いい。
アウトプットは、面倒でもあるので、試験用に効率化されすぎた思考が染み付いている人は、省いたり、ほとんど実行しないまま学習を進めがちである。
アウトプットに対してインプットはやはり、重要な要素であるが、何でも耳にするものを取り入れていけばいいというものではない。 洋画や洋楽を、意味もわからずに聴き続け、大量にインプットしても、英語ができるようにならない。
獲得した英語の知識を無意識に使えるようになるには、それを意識したトレーニングを行うことが正解である。
普段から、日本語を介さずに英語で考えるトレーニングなどはこの目的の最適解答である。自分の持っている英語の知識を説明するための英単語が足りないなど、英語で考えようとすれば、嫌でも意識せざるを得ないからだ。 また、音読やシャドーイングでインプット能力の精度を上げ、同義語で言い返したり、英語で要約したりなどのトレーニングで、少ないアウトプットで効率を上げることができる。
インプットの能力とアウトプットの能力をバランスよく向上していくことが重要なのだ。
まずは、単語・文法・発音の3つを効率的に学習するための注意点をご紹介する。
【底あげ学習】初学者が最重要英単語2,000語でできるようになること
英単語については、「どれくらい覚えればよい」のかというのは、時代を超えた問題である。 かつては2万語必要など言われた時代があるが、単語を厳選すれば最重要語2,000語でまずなんとかするべきである。 英単語は、脳内にストックが多ければ多いほど、英語を理解するには有利である。 しかし、単語ばかり覚えるのも、学習としては楽しさに欠ける。 かといって、楽しくない作業を抜きにして、英語力の底上げはできない。 そのため、まずは2,000語を厳選して、この2,000語についてはしっかり覚えることが必要のだ。
いわば、2,000語を脳内でカバーできれば、今後知らない言葉が出てきても、この2,000語以内で説明できる必要がある。
重要語2,000語とは?
2,000語と聞いて、多いと思っ人も少ないと思った人もいるはずだが、一般の大学受験で使用される英単語のレベルは5,000語あたりが目安である。 そのうちの半分は、冠詞や前置詞などの、中学生の教科書のレベルであり、思考力が多少なりとも必要なのは、高等学校の英語からである。
そのため、高校まで卒業していれば、脳内は3,000語レベル、大学受験を経験していれば、5,000語レベルの地ならしがされていがされていると考えて良い。
その上で、以上と重複のある2,000語を徹底的に使えるようにするだけであるので、特別難しいことをやるわけではない。 基本的に正しく書けて、読めて、発音できるかをトレーニングするだけである。
学習指導要領では、日本の中学で習う英単語は少なくても1,100語、高校では少なくても2,000語と決められている。最重要語2,000語とは、高校2年生くらいまでに習う単語と考えていい。大学受験を経験している方であれば5〜6,000語、もしくはそれ以上学習していることを考えると、それほど難しいことではない。
ただし、注意点が2つある。
最重要語は深く覚え込む必要がある!
“get”や“make”や“take”といった英単語を知らないという人はあまりいないはずだが、この2つの単語と前置詞など少々の味付けで、日常会話の殆どがカバーできてしまうという現実がある。つまり、覚えることを避けては通れない最重要語になる。
こういった、最重要語はイディオムにまで派生させて、徹底的に覚え込む必要がある。
最重要語とは今後繰り返し出会うことになる。しかし、これらは、いつも同じ意味や使われ方で出てくるわけでもなく、形を変えて、しかも異なった意味を持って登場するのである。
最重要語は、重要なことだけあって、色々な意味を持つケースが多い。 一語覚えるのに、適当な専門用語を数個覚える以上の労力を要することもある。 そういった、最重要語の学習は、英語の基礎的理解を支えるためにも、深く自分の英語力に取り込む必要があるのだ。
語彙力と読解力の関係では、低い次元での理解で済ませるなら習得単語数が多ければ多いほど良い。 しかし、本物の読解力をつけるには、難しいことを平易な英語で説明したりなど、重要語の深い理解がモノを言うのである。
慎重に覚える単語を選別せよ!
先程、インプットとアウトプットが、英語学習には欠かせないと書いた。 そのアウトプットは、価値があるからアウトプットすると言っても良い。 重要語は、例外なくアウトプットで使えるものを選ぶ必要がある。
OCRと言う、テキスト画像認識システムをご存知な方は多いだろう。 カメラなどで写された文字をテキストデータ化するシステムだが、認識率99.9%という制度であっても、1,000文字あれば一文字間違えるということである。 言語の世界では、これはあまり精度がいいとは言えない。
例えば“take *n”という文字列の“*”が“i”か“o”かで全体の意味が微小ながら違ってくることが多いからである。 そのため、0.1%の精度を上げることの重要性は、誰もが認識するところである。
話を、本題に戻そう。
先程書いたように、最重要語2,000語で一般のニュース記事など約80%をカバーできる。ただし、話題の固有名詞や人名などは、その都度頭に入れる必要はある。
一方で、その2,000語に含まれなかった単語は、時折重要なキーワードになるものではあるが、新聞記事などの10%程度しかカバーしないのである。 事実、その10%がわからないから全体がわからないということはあり得る。 いや、誰もが経験することである。 しかし、年に何回も出会わない単語にちがいなく、わからなければ誰かに聞けば良い程度のものだ。
その10%の英単語に、自分の学習意欲を注ぎ込むのは得策ではない。 実践英語力獲得までの道のりを長くしてしまうだけだからである。
覚える単語は慎重に選んだ方が賢明だ。
【底あげ学習】初学者は文法学習をサボるべからず!
日本語をある程度使える人で、英語も使えるようになりたいなら、文法学習を怠けてはいけない。
英語がある程度話せるようになっても、いざというとき、「自分の英語果たして正しいのか?」というときに支えになるものが文法である。 文法力ゼロで、莫大な単語力だけで英語力を支えていても、時折バカっぽいことを口走ることになり、ボロが出る。 大人同士で語り合う、議論する、異性を口説くにしても文法力は、英語力の支えになる。
文法を学べなくても、英語を話せるようになるのでは?
「子どもは文法なんか勉強しなくても、ことばを話せる事実を見ろ」という反論がある。
子どもの脳は、言語の丸暗記能力が大人より高いのである。 見るもの、聴くもの、読むものすべてを脳に取り込んでしまう。 これができない大人に対して、圧倒的な莫大量のビッグデータを備えるのである。 そのため、文法が試されるまでもなく、蓄えられた巨大データベースの中から、場面場面に最もふさわしい言葉を見つけてくれば良いので、理屈は関係ないのだ。
それに対して、大人はそれができない。 巨大なデータベースを構築できない以上、まずルールを身に着けてそのルールに叶うから使える、使えないを判断するのである。 つまり、物事を理解して、行動しようとする(子どもより)。
そのため、文法を学んだほうが、英語学習には効果的なのである。
子供と同じレベルで英語を学びたいなら試しにやってみると良い。 見るもの触れるもの聞こえるものを片っ端から記憶していくのだ。 実際に記憶できたかどうかはどうでもいい。 片っ端から記憶していくという行動そのものが、自分にできるかどうかを見定めてみよう。 できなかったら、諦めて、理解を助ける文法を学べばいい。
なと、子供と大人、どちらの脳が優れているとかいう話ではない。 脳の性格が変わり、脳が成長する過程に過ぎない。
高校1年生までの文法力を見直せ
文法の学習もそれほど難しいものではない。 高校一年生までの文法力が使いこなせれば、英語は読める、書ける、話せるのだ。
英語学習を見直したり、計画したりする際は「使える英語」と「理解できる英語」を、便宜、分けて考えた方が手を付けやすい。
「使える英語」の範囲は、「理解できる英語」の範囲より狭いのが普通だ。このことは文法学習だけではなく、単語学習などの英語学習全般に共通することだ。
また、英語の非ネイティブ日本人がマレーシア人などの非ネイティブに話すときは、自分の意見とその根拠を、やさしい単語と単純な文法で構成した、わかりやすさ優先の英語で明確に表現することが最重要である。 相手次第であるが、普通はネイティブ並の表現力は、使う必要性はない。 相手も非ネイティブなので、複雑な表現や、言外の意味を含めて表現しても、うまく伝わらず、相手も理解しない。
英語のネイティブに対しても難しい英語を使う必要は全くない。 ところが、ネイティブがわれわれ非ネイティブに対してやさしいわかりやすい英語を使ってくれると期待してはいけない。 シンプルな表現で会話してくれても、そのシンプルさが返ってわかりにくいことは普通にある。 ネイティブの方が言うには、いわゆる外国人相手のやさしい英語というのは、話していててだるく、気が抜けて、舌が疲れるものだそうである。
結論として、まずは言いたいことを自由に表現できるための文法と単語を身につけることが先決である。それができれば、地道に理解できる範囲を広げ、単語や文法の知識を継ぎ足していけば良いのだ。
言いたいことを自由に表現できるようになるには、仮定法を含めた文法を抑えておく必要がある。 仮定法は、普通は高校1年までに手を付けるはずであり、その範囲までマスターしておけば、目的に叶う。
【底あげ学習】初心者は発音学習に尽力せよ!
日本の学校教育では、図で示すように、発音に関しては重要視されない傾向にある。
事実、受験勉強の経験者なら、その現実をよく分かるはずである。 しかし、使える英語を身につけるという目的においては、発音は最重視自由視されなければならない。
発音は、単語と文法と同様、非常に重要な学習範囲である。 意識としては、上の図で発音部分はもっと大きく、単語と同じ程の大きさになる。
特に日本で英語教育を受けた人は、素地が良いので、発音さえなんとかなれば、そのまま英語が使えるようになる人が多い。
英語には日本語にはない発音が多い
日本語の母音は5つあるのに対し、英語は24も存在している。 同様、日本語の子音は16に対し、英語は24である。 このことは、日本語にはない発音が英語には非常に多いという事実である。 この英語の発音数の多さが、日本人の英語が通じない主な理由であり、同時に日本人が英語を聞き取れない理由でもなっている。
英語は正確に発音しないと理解してもらえない言語だといわれている。そして、自分で発音できない音は聞き取れない。したがって、通じないし聞き取れないということになるのだ。
日本語にない英語の発音は、口の動かし方を意識しながら、なるべく正確に発音できるように繰り返し練習する必要がある。そうすれば必ずリスニング力も向上する。
英語が聞き取れない最大の理由は、リエゾンの軽視である
日本人が一番苦労する、英語の発音学習といえば、リエゾン(音声変化)である。 英語の単語と単語がつながって発音され、それにより音が消えたり、別の音に変化したりすることである。
例えば、“shake it now”という表現は「シェイク イット ナウ」(説明のためにカタカナを使う)と発音されることはない。 ネイティブに、子供に言い聞かせるようにゆっくりととスゴみを込めて発音してもらうと「シェイケット ナゥ」となり、普通の速度で話してもらうと「シェケナッ」になる(説明のためにカタカナを利用した、どちらにせよ本物の音はカタカナの音ではない)。 話す速度によって、音が繋がり、消える現象である。
これは、日本語でも普通によくある音の変化、イ音便、促音便、撥音便といったものと同じ次元のものである。
このようなリエゾンが起きている会話でも、普通に聞き取れるようになれることは、英語を使うという側面からは避けては通れない。
では、どうやってこれを克服するかということになる。 いばん現実的な方法は、自分でも同様に発音できるようになることである。 ネイティブの発音をまねる、そして繰り返すことで、トレーニングを重ねることで口まわりの筋肉は、その発音に必要な動きを習得する。
そして、トレーニング数をこなすことで、脳はリエゾンの規則性を覚えてしまう。 発音がマネできれば、当然ながらリスニング力も飛躍的に向上するのである。
まとめ
- 英単語は、重要語に絞って使えるようにすべし
- 英文法は地道に積み上げべし
- 発音学習とトレーニングは積極的に行うべし