定型表現を習得するだけで「実践力強化」ができる!
Jan 17, 2021/ 更新日:Feb 17, 2021
定型表現の習得
これまで、頭の中で英語の文章を作ることの重要性とそのトレーニング方法を紹介してきたが、最後に定型表現の習得についてご説明する。
定型表現習得の目的
効率的に英語を習得するには、よく使われる定型表現や言い回しを覚えていくことも重要だ。英語の日常会話は、2分の1から3分の1程度を定型表現が占めるといわれている。ビジネス英語のように特定の集団内で使用される言葉は、それ以上に多いという統計もある。
例えば、会社で英語の電話がかかってきた場合、用件を聞いて担当者に転送するだけであれば、定型表現で100%対応できる。担当者が席を外している場合や、他の電話に出ている場合など、あらゆることを想定しても、20程度の定型表現を覚えておけば十分なのだ。
それなら、基礎から学んで英語の文章を作れるようにならなくても、定型表現だけ覚えればいいのでは?と思う方もいるかもしれない。しかしそれは間違っている。電話対応が定型表現で100%対応できるのは、想定できる状況が限られているからだ。例えば、取引相手との交渉などは想定外のことがよく起こる。そのような場合は定型表現だけで対応することは不可能となる。
定型表現で自分の言いたいことを表現できない場合は、単語と文法を組み合わせて英文を作らなければならない。その場合でも、毎回ゼロから英文を作ることは非効率的であり非現実的だ。知っている定型表現や言い回し、フレーズを使いつつ、単語を変えたり、表現を組み合わせたりしながら自分の言いたいことを表現していくのだ。
定型表現やフレーズの単語を変えたり、組み合わせたりするには基礎力(単語・文法・発音)が不可欠になる。つまり、英語を流暢に使えるようになるためには、基礎力を固めて自分で英語の文章を作れるようになることと、よく使われる定型表現・言い回し・フレーズを覚えていくという2つのことが必要なのだ。
定型表現習得の目標
会話しているビジネスパーソン 定型表現を覚える際に最も重要なことは、自分が使う可能性が高い表現・フレーズ・言い回しを覚えることだ。当たり前のことなのだが、それができていない方が多い。
例えば、ビジネスで必要だから英語を学習しているのにもかかわらず、ビジネスとは全く関係ない題材の映画やドラマで英語を学習している方がその典型だ。同じことを言う場合でも、アクション映画や学園ものの映画での表現と、ビジネスでの表現は全く異なることも多い。効率的に英語を学習したいのであれば、このようなことは避けたい。
定型表現を覚えるときは、一般的な、どのような場面でもよく使われる定型表現と、自分が英語を使う状況でよく使われる定型表現を覚えていこう。
定型表現習得のためのトレーニング方法
定型表現を覚えるにはシャドーイングが効果的だ。シャドーイング単独でも効果はあるが、他のトレーニングと組み合わせて行なうとより効果が高くなる。下記のように全部で8種類を組み合わせて行なうことをおすすめする。
英語自動化トレーニング - 定型表現習得 なお、上記の自動化トレーニングを行う際は、必ずその目的を意識しながら行なって頂きたい。ただ漫然と流れに沿ってトレーニングを行なうより、なぜこのトレーニングをやるのか?を考えながら行った方が圧倒的に効果が高くなる。
例えば、シャドーイングは、単語や文法学習、英語脳作りのところでもおすすめしたトレーニング方法だが、意識をどこに向けるかによって効果は変わってくる。定型表現を覚えることが目的であれば、そこに意識を集中する。英語脳作りが目的であれば、そこに意識を集中して行なって頂きたい。