「とっても」の表現、very を避けた表現で逃げてみる

Dec 11, 2022/ 更新日:Dec 11, 2022

英会話を続けて、日本人以外と話をする時に、ついついやってしまう「very」の多用。 これから抜け出すことが、素人英会話から脱却する第一歩になるだけでなく、自身の話も面白くアレンジできるので、今回ピックアップしたものはすべて、この場で覚えてしまおう。

「very」そのものは文中(会話中)に使用しても何も問題はない。しかし、調子に乗って繰り返し使いすぎると、会話の相手からすれば「なんて退屈な、うざい会話だ」という印象を満たせてしまうのである。

今回のリストは「very + ***」の言い換えだと理解して構わない。下の表の左側は「子供に対して説明するとき」、右側が大人の表現だと理解するのも良しである。

very 表現これを使え
Very fatobese
Very oldancient
Very clearobvious
Very painful-excruciating 
Very quiethushed
Very opentransparent
Very richwealthy
Very lazyindolent
Very cuteadorable
Very importantcrucial
Very talltowering
Very calmserene
Very smalltiny
Very brightluminous
Very beautifulexquisite
Very simplebasic
Very longextensive
Very shinygleaming
Very shortbrief
Very shytimid
Very perfectflawless
Very angryfurious
Very coldfreezing
Very uglyhideous
Very louddeafening
Very thingaunt
Very talentedgifted
Very smoothsleek

“me too” は肯定表現

I love that store's hamburgers!
Me, too! It’s delicious!
その店のハンバーガー大好きさ!
オレ(私)もさ。美味しいね!

という意味で、この程度は間違えない表現である。

しかし会話では、相手に同意ばかりしていてもはずみがない。 相手の表現を否定ばかりするよりまだマシだとしても、この手の「私も!」表現を多用するだけでは「眠い人」と理解されるだけになる。

ちょっとアレンジして、次のようにしたい場合どうするだろうか?

その店のハンバーガー大好きさ!
いや、ホットドッグがイケてるよ!

要するに「ホットドッグ」の方が大好き、美味しいよっていいたいわけである。

I love that store's hamburgers!
Not me. I like a hotdog with the works.

普通は上のようになり、この表現だと、少しやさしくなる。 念のため、”a hotdog with the works” はトッピングを全てのせたホットドッグのことで、”the works” は口語表現で「全部」という意味になる。 上の表現だと、「あの店のトッピングしたホットドッグ、(ハンバーガーより)かなりイケてる」というほのめかしがあり「あの店のホットドッグ食べたことなくてハンバーガーばかりに目が行っているなら、ホットドッグを試してみなよ、フルトッピングで」というニュアンスが伝わる。

次のようにすると、どうなるだろうか。

I love that store's hamburgers!
 Me neither.

「その店のハンバーガー大好きさ!」、「私は好きじゃない」という意味にしたかったとしたら、そようには受け取られず、変なヤツ(会話のできないヤツ)と思われる。肯定文の後に否定の応答文を返してきているので、「なんだコイツは!馬鹿なのか、ケンカ売ってんのか」と受けとるか「学校行ってないんだな」とみなすか、運が良くても「カワイソな語学力の外国人」という感じである。ドヤ顔でやってしまうと、ほぼ確実に人間関係がおかしくなる。

“Me neither” を使う場面は、相手の「否定文に同意」する時である。注意したいのは「否定的な表現に同意」する場面ではない。 やりがちな間違いとしては、次のような場面である。

I hate that store’s hamburgers!

 Me neither.

「その店のハンバーガーまずいよ!」、「同意するよ」という意味に取られるだろうか。 この会話は、日本語で考えると成り立ちそうにも思えるが、英語としてはかなり変である。 “hate”は否定的な意味だから、”neither”で答えたくなる人が多いが、”hate”は否定的な意味をもつが”否定表現”ではない。厳密には”否定形“ではないから、文としては肯定文である。だから「同意するよ」という意味で会話を成立させるには”Me too”を使う必要がある。

“Me neither”は、否定形(否定文)に対して同意するときに使う。例えば、

I don't line onion ring!
Me neither.

「オニオンリングは嫌いさ」、「私もよ」という感じである。 “Me neither.”ばかり使いたくない場合は、”I don’t either.”と表現しても良い。 あるいは、少々強く同意したいときは”Neither do I.”とすると「私も」感がよく伝わる。日本語にしてしまうと、ニュアンスがイマイチぼやけるが、「私もよ」というニュアンスはそれぞれ微妙に違う。 蛇足だが、”neither can I”、”“I can’t, either” や “I haven’t either” というパターンもあり得る。助動詞の部分はその場にあったものが入るだけである。

では、復習がてら「オニオンリングは嫌いさ」という文に対して「私は大好きよ」というニュアンスでやるには、どういう表現があるだろうか。 “Me, too!”はありえないことは、これませでの説明でご理解いただいていると思う。 相手の発話が否定形に対して、”Me too”で返すのはおかしい。この種の会話では肯定形に対しては肯定形で返し、否定形に対しては否定形で返すのが原則である。

正解は、

I don't like onion ring!
I do! It's delicious!

「オニオンリングは嫌いさ」、「何いってんの!美味しいわよ!」という感じである。

英語は動詞を見るのである。否定文であるかどうかが問題で、否定的な意味であるかどうかはどうでも良いわけだ。

準否定文に続ける場合

英語は動詞を見て、その動詞を否定するか肯定するかで返す。 次の文で「私も」とやりたいとき、何を入れればよいだろうか。

I hardly know this author.
******

動詞は”know”、で本文は否定文かどうかであるが、この文は否定文である。 hardly や scarcely などの準否定語が動詞にくっついた文は、否定文に続く「私も」ということで、解答は “Neither do I” か “Nor do I” の類しか入り得ない。”So do I”などを入れてしまうと、相手が混乱するだけである。

まとめ

Do you watch love comedy?
No. (I don’t.)
Me neither. (I also don't watch love comedy.)

「恋愛映画って観る?」「観ないな」「オレもさ」という意味になる。 あらためて言われるまでもない表現だが、実際の会話文で使いこなせている人は案外多くはない。今回の表現を100回使って、一回でも間違えたら、まだ身体に染み付いていない。 試験で間違うリスクより、実際の会話で間違うリスクのほうが現実的にはずっと恐ろしい。一通り理解できれば、後は徹底して使うだけである。

まとめ

  • “me, neither”、”I don’t either”、”Neither do I”は相手の否定文に対して同意する。